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記事の監修:マルカツ製麺所 三木政人

マルカツ製麺所は、創業以来地域に根ざし、厳選した国産小麦と清らかな水を使った麺づくりにこだわってきました。確かな製法と経験をもとに、うどんやそばを中心とした美味しさと品質を追求し、食卓に笑顔を届けています。

冬でも美味しい「にゅうめん」の極意。――だしを濁らせず、コシを残す職人の知恵

にゅうめん 作り方
冬でも美味しい「にゅうめん」の極意。――だしを濁らせず、コシを残す職人の知恵

なぜ、家で作るにゅうめんは「ふにゃふにゃ」になるのか?

寒い季節、身体の芯から温まる「にゅうめん」。しかし、「どうしても煮崩れてしまう」「お汁が粉っぽく濁ってしまう」というお悩み、本当によく伺います。

結論から申し上げますと、失敗の最大の原因は「茹でた麺を、そのまま温かいお出汁に入れてしまうこと」、あるいは「水洗いが不十分なこと」にあります。

「温かい料理なのに、一度水で洗うの?」と思われるかもしれません。ですが、これこそが私たち職人が最も大切にしている「麺の命(コシ)」を守る鉄則なのです。この記事では、私たち作り手が実践している、家庭でも再現可能な「透き通ったお出汁」と「のど越しの良い麺」の両立方法をお伝えします。

【職人直伝】にゅうめんを格上げする3つの早見ヒント

時間がない時のために、これだけは守っていただきたいポイントをまとめました。

  • 一度「氷水」で締める
    • 温かい麺にする場合でも、茹で上げ直後に冷水でぬめりを取り、麺の繊維を「キュッ」と引き締める工程が必須です。
  • 茹で時間は「表示の8割」
    • 最後に熱いお出汁と合わせるため、少し芯が残るくらいの「固め」で引き上げます。
  • 煮込む」のではなく「合わせる」
    • お鍋でグツグツ煮込むのはNG。熱々のお出汁を、器に入れた麺に「かける」のが一番美味しい食べ方です。

麺のポテンシャルを100%引き出す「ひと手間」の魔法

なぜ「ぬめり」を取らないといけないのか

そうめんを茹でている時、お湯が白く濁りますよね。あれは小麦のデンプン質が溶け出したもの。私たち職人の間では、この表面のぬめりをいかに綺麗に落とすかが、食感の分かれ目だと考えています。

ぬめりが残ったまま温かい出汁に入れると、出汁がドロドロになり、麺の表面も溶けて食感が損なわれます。 茹で上がったら、ザルにあけ、流水で「拝み洗い」をしてください。両手で麺を優しく挟み、表面のぬめりを洗い流す感覚です。指先に麺の熱さがなくなり、つるりとした手触りになるまで。この一瞬の手間が、プロの味への近道です。

五感で楽しむ「湯がきの再加熱」

冷水で締めた麺は、当然冷たくなっています。ここで多くの人がやってしまうのが「鍋の出汁に投入して温め直す」こと。これでは、せっかく締めた麺がまた伸びてしまいます。

おすすめは「湯通し」の要領です。 別の鍋にお湯を沸かしておき、締めた麺をサッと(5秒〜10秒ほど)くぐらせて温め、お湯をしっかり切ってから器に入れます。そこに熱々のお出汁を張る。

器に口をつけた瞬間、小麦の甘い香りが湯気と共に立ち上り箸で持ち上げてもプチっと切れない弾力。口の中で踊るような「プリプリ」とした食感。これこそが、本物のにゅうめんです。

【マルカツ製麺所だより】極寒の風が育てる「強いコシ」

私たちの工場では、冬の最も寒い時期(寒作り)に作られた麺を、あえて梅雨の高温多湿な時期を越させて熟成させることがあります。これを「古物(ひねもの)」と呼びます。

小豆島の冬、工場に吹き付ける寒風は、肌が切れるように冷たいものです。しかし、この冷たく乾燥した風と、職人が目視と指先の感覚で微調整する「塩加減」が、麺のグルテンを鍛え上げます。

工場内で麺を引き伸ばす際、「パチン、パチン」という小気味よい音が響きます。これは麺が生きている証拠。厳しい寒さの中で鍛えられた麺だからこそ、熱いお出汁の中でも負けない「芯の強さ」を持っているのです。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. お出汁はどんなものが合いますか?

A. 手延べそうめんは塩分を含んでいますので、お出汁は「少し薄味かな?」と思うくらいが丁度よいです。昆布とかつお節のシンプルな出汁に、少しの醤油とみりん。麺自体の小麦の風味を楽しんでいただきたいので、濃い味付けよりも、出汁の香りを優先することをおすすめします。

Q2. 具材は何を入れると良いでしょうか?

A. 麺の食感を邪魔しないものがおすすめです。冬なら、千切りにした柚子の皮を少し乗せるだけで、料亭のような香りになります。また、とろみをつけた「かき玉汁」にすると、スープが麺によく絡み、最後まで冷めずに召し上がれますよ。

Q3. にゅうめんに向いている「麺の太さ」や「種類」はありますか?

A. 鋭いご質問ですね。実は、にゅうめんには「少し太めの麺」や、熟成させてコシが強くなった「古物(ひね)」が相性抜群です。

手前味噌で恐縮ですが、もし「失敗したくない」「お店のようなコシを楽しみたい」とお考えでしたら、マルカツ製麺所の直販サイトを一度覗いてみてください。 スーパーではなかなか見かけない、煮崩れしにくい「コシの強い専用麺」や、職人が一番美味しい状態でお届けする「蔵出しの麺」をご用意しております。家庭用のお鍋でも、驚くほどしっかりとした歯ごたえを感じていただけるはずです。

最後に小豆島のマルカツ製麺所から

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今の時期、小豆島は穏やかな海と、時折吹く厳しい季節風に包まれています。私たちはこの島で、先代から受け継いだ技を守り、毎日粉まみれになりながら麺と向き合っています。

今日ご紹介した方法は、少し手間に感じるかもしれません。ですが、ひと口すすった時の「あ、美味しい」という笑顔が見たくて、私たちも手間を惜しまず麺を作っています。

もし、今夜の献立に迷ったり、ふと「本当に美味しいそうめん」の味が恋しくなったりした時は、私たちのことを思い出してください。工場から出したばかりの、飾り気はないけれど一番美味しい状態の麺をご用意して、いつでもお待ちしております。

マルカツ製麺所の「現在のラインナップ」を見てみるhttps://marukatsu-seimen.com/

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