こんにちは。小豆島のマルカツ製麺所です。
ネットで美味しいものを取り寄せようとしたとき、「写真と違ったらどうしよう」「有名そうだけど、味は本当に確かなのか」と不安になることはありませんか? 特にそうめんのようなシンプルな食品ほど、その不安は大きいものです。
結論から申し上げます。 通販で失敗しないための最大の秘訣は、「誰が、どんな場所で、どんな思いで作っているか」という「顔」と「空気」が見えるお店を選ぶことです。
綺麗なパッケージや安さだけでなく、職人がその日の天候と向き合っている気配が伝わる麺こそが、食卓に笑顔をもたらす「本物」です。この記事では、私たち作り手が同業者を見るときにチェックするポイントを包み隠さずお話しします。

【プロの目利き】美味しい製麺所を見抜く3つの早見ヒント
忙しい方のために、まずは要点をまとめました。サイトを見る際、この3点に着目してみてください。
- 原材料がシンプルか: ごまかしのきかない「小麦・塩・油」だけで勝負しているか。
- 「天候」への言及があるか: その日の気温・湿度に合わせて作り方を変える「手仕事」の記述があるか。
- 工場の「空気」が見えるか: 機械的な量産ではなく、職人の息遣いや島の風土が感じられるか。
1. 原材料欄は「職人の履歴書」。少なければ少ないほどいい
ネット通販では味見ができませんが、「原材料名」は嘘をつきません。 本当に美味しい手延べそうめんは、基本的に「小麦粉、食塩、食用植物油」の3つだけで作られます。
もし、ここに保存料や不必要な添加物が並んでいるとしたら、それは「素材そのものの味」に自信がないか、大量生産のために効率を優先した結果かもしれません。
私たちが小麦粉の袋を開けたとき、ふわりと立ち上がる穀物の甘い香り。 茹で上がった瞬間に湯気とともに広がる、あの素朴で力強い香り。 あれは、余計なものを入れないからこそ生まれる感動です。サイトの説明文に、小麦へのこだわりや愛着が書かれているかどうか。そこが第一のチェックポイントです。
2. 「今日の天気」を語る職人がいるか
製麺所選びで最も大切なのは、「マニュアル通りに作っていないか」という点です。 矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、そうめん作りにおいて「毎日同じように作る」ことは、実は失敗のもとなのです。
マルカツ製麺所だより 〜早朝5時の日課〜
私たちの工場の朝は早いです。まだ星が出ている午前5時、まず工場に入って一番にすることは「深呼吸」です。 今日の湿度はどうか。気温はどうか。これから風は吹くか。 肌で感じたその感覚だけを頼りに、その日の塩水の濃度や、生地を練る時間を微妙に変えています。
例えば、雨の日は生地が水分を含みやすいので、ほんの少し塩を強めに効かせたり、乾燥時間を長くしたり。機械の数値には表れない「生地の機嫌」をとるのが、私たち職人の仕事なのです。

サイトの中に、こうした「季節や天候との対話」が感じられる言葉があれば、その店は信頼できます。自然に逆らわず、自然の力を借りて作られた麺は、コシの強さがまるで違います。
3. 「寒づくり」と「風」の記述を探す
最後に確認していただきたいのが、その製麺所がある「場所」と「季節」です。
私たち職人が最も神経を研ぎ澄ますのが、生地を干す工程です。 ただ乾かせばいいのではありません。小豆島には、冬に山から吹き下ろす冷たく乾燥した風があります。私たちはこの風を「宝物」だと思っています。
極寒の中、かじかむ手で麺を箸分けし、冷たい風にさらす。 この厳しい寒暖差と冷風が、麺をキュッと引き締め、独特の強いコシとツルツルとした喉越しを生み出します。
温風乾燥機だけで短時間に仕上げた麺と、島の冷たい風の中でじっくり時間をかけて熟成乾燥させた麺では、茹でた後の「伸びにくさ」に雲泥の差が出ます。 写真を見たとき、麺が自然光の中で輝いているか、風になびく風景が見えるか。それを想像してみてください。

【よくあるご質問】失敗しないために
ここまでお読みいただいた方が、さらなる安心を得られるよう、よくある疑問にお答えします。
Q:値段が高いそうめんは、必ず美味しいのでしょうか? A: 一概には言えません。 もちろん、良い小麦を使えば原価は上がります。しかし、過剰な包装や広告費が価格に乗っている場合もあります。「包装」ではなく「中身(手間暇)」にお金をかけていると感じられる、実直なお店を選ぶのがおすすめです。
Q:届いたそうめん、美味しく食べるコツはありますか? A: 「大きな鍋で、たっぷりのお湯で」これに尽きます。 麺が鍋の中で踊るくらいの余裕を持たせて茹でてください。そして茹で上がったら、氷水で「これでもか」というほど強くもみ洗いしてください。職人が込めたコシが、そこで目を覚まします。
Q:職人さんが書いている、その「こだわり」が詰まった麺を食べてみたいのですが…。 A: そう言っていただけると、職人冥利に尽きます。手前味噌で大変恐縮ですが… もし、ここまでお話ししたような「天気と対話して作った麺」「島の風で鍛えた麺」をお探しであれば、私たちが作ったそうめんを一度試していただくのが、一番の近道かもしれません。 大量生産はできませんが、一束一束、責任を持って送り出しています。
【最後に:小豆島のマルカツ製麺所から】

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今、工場の窓からは、穏やかな瀬戸内海と、麺を干す木枠が並ぶいつもの風景が見えています。 ネット通販は便利ですが、画面の向こうにいるのは、私たちのような生身の人間です。 私たちは明日も変わらず、朝4時に起きて空を見上げ、粉まみれになりながら麺を作り続けます。
もし、あなたが「今日は本当に美味しいものを食べて、ほっとしたいな」と思われたとき、私たちのことを思い出していただければ幸いです。
工場から出したばかりの、飾り気はありませんが、一番美味しい状態の麺をご用意してお待ちしております。
マルカツ製麺所の「現在のラインナップ」を見てみる →https://marukatsu-seimen.com/